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黄色は車道、は山道を示す


●2016年12月31日~2017年1月2日


今回の年越登山は冬山の初級とされる安達太良山を選んだ。山麓にある岳温泉と通年営業のくろがね小屋に泊まって一日の行程を短くし、装備もできるだけ軽量化させた。火器や食糧、ピッケルなども持っていかなかった。

12月31日、新幹線で郡山まで、在来線で二本松へと乗り継ぎ、そこからMTBを組み立てて岳温泉まで走った。途中でポツポツ雨が降ってきたが、本降りになることはなかったので雨具は装着しなかった。宝龍荘という旅館に泊まる。施設の古さとサービスの内容からすると一人1万2千円はやや割高。宿泊客は多くが80歳前後の老人だった。

1月1日、9時に旅館を出発し、10時半にスキー場に到着。




今年は雪が格別に少ないようで、人工雪のある下の方しかゲレンデ開放されておらず、リフトを利用した登山計画を立てていなくて良かった。スキー場のレストハウスで身支度をした後、11時半に雪道の登山道を歩きだす。




登山道は、ジグザグの馬車道とショートカットの旧道がクロスするような形で勢至平まで続いている。自転車で押して歩きやすい馬車道の方を歩いた。緩やかで(ほとんどフラット)幅が広くてよく踏まれているので、下りに利用すれば雪上走行可能の快適な道だろう。今回は上りのみなので押して歩く。




晴れていたのも束の間、谷に近づくと雲行きが悪くなり冷たい風が吹き付けるようになる。硫黄の臭いが立ち込める。馬車道は山小屋までずっと続いている。やがて山小屋が見えてきた。




14時、山小屋に到着。中に入ると大勢の酒盛りをしている人達で賑わっていて、あちこちの鍋から立ち込める湯気と混じり合い、独特の臭気を放っている。自分は食糧は持参していなかったので、売店でカップヌードルと果汁100%の桃ジュースを買い、2階の寝室に持ち込んで食事したが、運動した直後で最高に美味かった。夕食のカレーも自分には少し甘すぎたけれど、おかわり自由なので2杯食べた。小屋には温泉があり、最初は山小屋の温泉ということで躊躇していたが、岳温泉の源泉をそのままかけ流しているだけあって入ってみれば素晴らしい温泉だった。

消灯の9時までは団塊世代を中心に1階の食堂で大盛り上がり。そのうちの一部は消灯時刻を過ぎても寝室に酒を持ち込んで宴会の続きをしていたので、さすがに横にいた50代位の男性がキレて叱りつけたら大人しくなった。注意された後も、ヘッドライトを点けたまま大イビキをかいて寝始めたため、結局宴会を続けるのと大差なかった。こういう光景はあらゆる山小屋で見られるため、もはや何も思わなくなってしまった。




1月2日、朝食を終えて朝8時過ぎに山小屋を出発。小屋の外に停めていた自転車に霜が凍りついている。朝の冷え込みで周辺の景色も一段と白くなっている。




小屋から先の登山道は、道幅が狭くなり自転車を担いで歩くことが多くなる。雪は徐々に深くなるが、先行する人のトレースを辿っていけば迷わない。

1時間後、ルートの分岐となる峰ノ辻に着く。分岐から右手は稜線から牛の背を経由して山頂へ、左手は一旦沢へ下って直接ピークへ登り返すルートとなっている。ここまで来るとトレースも半分風で掻き消されており、右手に進むトレースが辛うじて残っている。

蜂ノ辻にてしばらく立ち止まっていると、右手方向からやってくるグループに遭遇。話をすると、ここから稜線へ向けて15分ほど進んだが徐々に風が強くて雪も深く視界不良となり引き返してきたとの事。もう一つの左手のルートも一旦下るため雪の吹きだまりになっていて無理そうだから、今回はピークをあきらめて帰るらしい。途中までなら自分達のつけたトレースがあるけど、そこから先はかなり厳しいと言われた。さすがにラッセル覚悟で行く気にはなれないので、悩んだ挙句、トレースのない左の方へと進んだ。




しかし、トレースがなかったのは最初の方だけで、やがてアイゼンのはっきりした爪痕が見えてくるようになり、雪が吹き溜まっているような箇所も全くなく、ほぼ無風状態のまま難なく通過することができた。




やがて安達太良山の標柱が建っている山頂部に出た。ここまで来ると風が強い。しかし、ここが最高地点ではなく、さらに乳首(ちちくび)と呼ばれるクサリのある岩の登りが奥に続いている。




小屋を出発してちょうど2時間後、安達太良山の山頂に到着。百名山MTB登頂、これで52座。
低気圧が接近中というあいにくの天気で展望は全く望めなかったが、白一色の雪景色に十分満足。




山頂部には祠があり、供え物の鏡餅までエビの尻尾ですごいことになっている。

山頂を後にして来た道を戻る。行きのトレースはすでに風で消えていて、僅かに残っている車輪の跡をみつけるまで下る方向が分からなかった。実際に悪天候時の山頂部で下る方向を間違えて遭難するケースが多いらしい。




帰りは、あだたら高原スキー場の裏側にある薬師岳の方へと下っていく。雪がクッションとなりサクサクと下っていける。反対方向から登ってくる人もいる。皮肉なことに途中で時折、晴れ間が現れるようになる。




ロープウェイの終点となっている薬師岳はスキー場から見ればピークに見えるかも知れないが、実際には坂道の途中である。ロープウェイは期間外、リフトも積雪が少なく停止中であるため、ゲレンデを下っていても全く人の気配すらなかった。

薬師岳を過ぎたところでアイゼンを外したが、少しタイミングが早かったようで、ツルツル滑る道で何度か転んでしまった。下に行くにつれて樹氷もなくなり泥混じりの雪となり、やがて行きの道と合流。13時20分に奥岳登山口に戻ってくる。

レストハウスで昼食を済ませ、岳温泉まで下る。1時間半かけて登ってきた道を、わずか10分で下る。




この日宿泊したペンション・シャンカー。風呂は岳温泉の湯ではないけれど、室内は清潔で料理もおいしく値段も良心的で非の打ちどころのない宿だった。最終日にこういう所に泊まれて良かった。

翌1月3日、二本松駅まで走り、Uターンラッシュの中を帰京した。新幹線の指定席が確保できず、満員のデッキで立ちっ放しだったので、結構つかれた。

おわり

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