■岳・銚子ヶ口・イブネ・雨乞岳 MTB          ■自転車旅行記(年度別)へ   ■自転車旅行記(地域別)へ

●2009年10月10日〜11日

「岳」一字という珍しい山名をもつ山だが、1/25000の地形図にその名はない。今回、銚子ヶ口から雨乞岳まで縦走するにあたり、登山口の杠葉尾にある小杉荘で一泊する計画を立てたのだが、初日、安土駅から杠葉尾まで走ってくるだけでは時間が余ってしまうので、この「岳」を往復することにした。
標高は781mと低いのだが、明確な登山道がある山ではないので油断ならない。まずは登山口が分かりにくいし、その後しばらくは踏み跡がところどころ薄れていて迷いやすい。何度か道を外して、知らず知らずのうちに身動きのとれない急斜面に突っこんでしまったりするが、そうなると正しい踏み跡へ戻るのすら一苦労である。途中で急激な通り雨にやられて、昼間とは思えないほど空が暗くなって焦りを覚えた。
高圧線巡視路
高圧線巡視路であるため途中で何度か分岐が出てくるが、方向を見定めて進んでいけば問題ない。稜線上の鞍部のところまでは、この巡視路を利用していける。そこから先は、木立の間をかきわけながら、ひたすら山頂へ向けて登り詰める。山頂も予想通り、木々に囲まれた狭い場所で静寂に包まれていた。雨もあがったのでカッパを脱ぎ、上空からの明るい日差しを浴びながらゆっくり食事をした後、往路を引き返して下山した。
山麓の杠葉尾集落から岳を望む
翌日は小杉荘で作ってもらった弁当を持って6時過ぎに出発。薄暗い植林の中、銚子ヶ口まではしっかりした登山道が続いている。標高700〜720mで一部乗車可の区間がある。8時半、銚子ヶ口の東峰に到達し、周囲の展望が開ける。銚子ヶ口も地形図に山名がなく、その辺の立札にも「銚子ヶ口岳」と書いてあったりするが、「岳」よりはずっと頻繁に登られている山のようだ。三角点峰で朝食をとり、いよいよ、地図上で破線のルートに踏み出す(昭文社『山と高原地図』では、銚子ヶ口から杉峠まで難路を示す赤破線で引かれている)。
カシミール3Dを使用して作成 大峠付近の開けた場所
舟窪と呼ばれる崩落地からしばらく痩せ尾根が続くが、随所で尾根の西側が崩壊しており、東側の急斜面をトラバースする。滑落しないように木の幹や小枝を掴みながら進むのだが、腐っている木が多くて、掴んだ幹などが何度も根元から折れ、危険だった。このような急斜面のトラバースは、ヤブに次いで自転車が邪魔に感じる場面である。
崩壊の多いヤセ尾根
徐々に踏み跡は不明瞭になってくる。クラシに辿り着いたが、見渡す限りの広大なササ原、鈴鹿山脈の主稜と雨乞岳、伊勢湾の雄大な眺めに昼寝でもしたくなる気分だ。さらにイブネに行くと、今回初めて人に遭遇する。しかも10名ほど。すばらしい青空の下、みんな昼食をとるなどしてくつろいでいる。まる見えの草原でキジを打ってるオバサンまでいる。みんな反対方向から来たらしく、再び一人で杉峠へ向けて歩き出した。ただ、クラシから杉峠までは天候次第では非常にルートが分かりづらくなるだろう。逆に言えば、ここでGPSの威力を最大限に発揮できた。12時15分、杉峠に着く。
だだっ広いイブネ
雨乞岳は鈴鹿では有名な山。標高1238mは滋賀県第5位を誇る。杉峠から楽に往復してくるつもりが、山頂手前が予期せぬ深い笹ヤブ。背丈を超える高さのヤブが両側からおおい被さり、チャリンコがつっかかって全く前に進まない。あの三国岳の悪夢を思い出したが、100メートルほどもがいて何とか山頂に到達。12時50分。なだらかな東雨乞岳と鎌ヶ岳の鋭峰を眺め、来た道を戻る。下りのヤブは重力のおかげか(?)それほどでもない。ただ、踏み跡を大きく外してしまい、ササの海を泳ぐようにして尾根道へと戻ってきたが、ヤブの楽しさが少し分かりかけた気がした。ただそれでもやはり、自転車は邪魔でしかない。
ブッシュと格闘
杉峠からの下りは、至って歩きやすい峠道。徐々に乗車できるようになり、やがてダブルトラックの未舗装林道になり、相当長い距離を楽しんでから、14時45分、車が複数駐車してある舗装路の登山口へ出た。そこから安土駅までは、逆風にさらされながら重いペダルをちんたら漕ぐことになってつまらなかった。通常のサイクリングコースとして、滋賀から杉峠、根の平峠を経て三重に至る鈴鹿越えというのも面白いかも知れないと思った。

 

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