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ここ最近、健全な(?)「山越えサイクリング」が続いている。「山越えサイクリング」とは、輪行後、駅から登山口まで自転車で乗りつけ、山頂を経由して反対側の登山口まで自転車を運び、そこから再び乗車して別の駅に辿り着くという、非常に効率的な山行形態のことである(勝手に定義)。確かにバスの時刻等を気にせずに別ルートで下山できるというメリットがあるが、最大のメリットは、登山道ですれ違う人に対してこのように尤もらしく説明できることだ(半分くらいの人は、この説明で納得してくれる)。ピストン山行の場合だと、「登山口に自転車を置いていった方が楽なのに何故?」という不可解かつ奇異の目で見られる。単なる趣味といって納得できる人は少ない。

因みに、登山中に最も多い質問は自転車の重量であり、これに関しては即座に「13.5キロ」と返答できる。それに対する反応は、重いですねが2割、軽いですねが1割、無反応が7割。次に多いのが走れる場所を尋ねる質問。「林道か舗装路に出てから走ります」「思ったより険しくてなかなか走れませんね、失敗でした」などと答える。10回に1回くらいは同じやりとりに飽きてくるので、「山頂から斜面を駆け降ります」などと大嘘を答えるが、これに関しては意外と信じられてしまう。

●2009年5月23日

大和上市駅から宿泊地の和佐又山ヒュッテまでは標高差1000mの舗装路。先月の釈迦ヶ岳のアプローチと同じ国道169号を走る。伯母谷〜栗の木〜大獄トンネルはキロ単位の長大トンネルが立て続けに連続、しかも延々と続く登り坂で、前回嫌な思いをしたところだ。そこで今回は旧道で迂回。旧道といっても登る標高差はトンネルと同じで、荒れている様子は全くなく、交通量はゼロという快適な道、こちらを選んで正解。続いて現れる新伯母峰トンネルも2キロほどの長さだが、こちらは勾配はなくフラットだし、旧道を通ると未舗装区間を含む峠越えになってしまうので、我慢してトンネルを通る。トンネルを出てすぐ右手の分岐、15%程度の勾配の舗装路を登りきって和佐又山ヒュッテに着く。食堂で昼食をとってからも時間が余ったので、荷物を預けて和佐又山の山頂まで往復することに。山頂は何の変哲もない所で誰もおらず、1時間弱でヒュッテに戻ってくる。ヒュッテの宿泊者は全部で20名くらい。他にバンガローやテント泊、車中泊の人もいる。

●2009年5月24日

いつも通り、山小屋では朝食を取らずに5時に出発する。この日は天気が悪い上に時間的な余裕も少なく、早めに出ると決めていた。登山地図では、和佐又のコルから日本岳のコルまでは破線で示されたルートとなるが、全く普通の登山道で支障なし。却って整備がされすぎているほど。徐々に梯子が多くなるが、全く手放しか少なくとも片手があれば登れる程度の梯子なので、チャリンコを担いだまま難なく通過できる。修験道の行場として残る多くの窟、そそり立つ絶壁を眺め、やがて奥駈道に合流し、7時45分、大普賢岳の頂を踏む。早めに出発したお陰で、ここまで誰にも遭遇していない。


ハシゴの連続

山小屋でもらった弁当を広げて朝食を取る。山頂で雨がやや強くなってきたので合羽を着て再出発。奥駈道に入ると人は増え、1時間に数人とすれ違う。自転車を押しにくい樹林帯のため、後ろからも次々と抜かされる。国見岳からの下りが今回の岩場では最も注意を要した。その後も桟橋や鎖のついた尾根が続き、鎖場を上がりきって9時45分、狭い山頂の七曜岳に着いて小休止。


七曜岳直前の鎖場

その後も長い稜線歩きの末、奥駈道から少し分岐した所にある行者還岳山頂に到着する。時刻は11時25分。山頂で写真を撮った後、来た道を引き返そうとするが、山頂から別方向にも踏み跡が延びている。GPSのマップにもショートカットするルートが示されていたので、騙されて進んでみる。道は途中で消えるが、赤テープだけが何故か先に続いている。ここで引き返せば良かったものの赤テープに導かれて道無き崖を下り続けた末、落ちたら死んでしまうような絶壁の淵に辿りついた。結局、倍の時間をかけて山頂まで引き戻したが大幅に時間ロス、反省する。

それでも天川辻までは、それほど支障なく来れた。問題は、ここから西側の国道まで下っていく破線ルート。同じ破線ルートでも、大川口へ下る尾根伝いのルートを通るつもりでいたが、気が付けば南側へ逸れて小坪谷の方へ降りるルートを下っていた。踏み跡は薄く、途中で消え、急斜面を滑り落ちていくように進む。掴む手掛りとなるものが何もなく、滑落しないように這って進んでいくような道だが、自転車を運んでいるので這うことすらできず、危険極まりない。廃道にした方がいいのではないか?このような道は二度と通りたくないと思った。とにかく、今回の行程の中でダントツに難易度が高かった。


踏み跡が消える・・・

小坪谷に出てからは、沢の徒渉に失敗。一見乾いている石の上で足を滑らせ、自転車と左半身が川に浸かる。14時35分、ようやく吊橋を渡って車道に出る。そこから駅までの国道309号は、一昨年の八経ヶ岳と同じルートであり、行きの国道169号と同じく長大トンネルが連続する。朝出発してから12時間後の17時、ようやく近鉄下市口駅に着いた。

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