■蓬莱山 MTB          ■自転車旅行記へ

●2009年2月1日

週末になると悪くなる天気が続いている。この日も天気が回復に向かうという予報に反して、荒れた雲中での行動となった。

時間短縮のために出町柳駅からバス輪行をする(京都バスは手回り料金を支払えば輪行可能。ただし、車内が登山客で混んでいる事が多く、細心の注意が必要)。バスの窓越しに外を眺めていて唖然とする。大原を過ぎた辺りから雪が降り出し、花折トンネルの手前からは完全に吹雪いていて路面も凍結しかかっていた。830分、トンネルより少し先のバス停「平」で降車する。しかも、ここで降りたのは自分ひとりだけ(゚Д゚;)他の登山客はみんな武奈方面へ持っていかれてしまったのか…

花折峠旧道入口

アラキ峠までの谷筋の道は雪の吹き溜まりになっていて、トレースが完全に消えた中での単独ラッセルとなり、かなりの重労働を強いられる。ワカンは持参してなくて膝から腰にかけて雪に埋まり、一歩一歩の前進が思うようにならず千鳥足状態、5m先の植林の杉の木が遥か遠くにあるように見える。この調子ではアラキ峠すら辿り着けないと感じてすぐに撤退の判断をするも、中途半端な撤退跡を残してしまうのも嫌なので(しかも自転車のタイヤ痕までつけてしまっている)時間の許す限りもう少し先まで進んでみることに。山頂に立てなくてもいい、ラッセルの訓練、いや、雪遊びをしに来たと思えば気が楽だ。

気持ちの切り替えが効を奏したのか、ほぼ休憩なしの1時間以上のラッセルの末(体感的には2時間以上に感じた)、アラキ峠に到着。時刻はまだ1020分、十分余裕がある。尾根道になって雪質も変わって歩きやすくなったため、欲が出て権現山を目指すことにした。

標高850m辺りで、ようやく後続の登山者が追いついてきた。単独、2人組、6人組と次々に後方から人がやって来る。ちょうど1時間遅れのバスに乗ってきたのだろう。こちらは完全にへばっていたので喜んで道を譲り、10人弱のトレースがついて大分楽になる。

1120分、権現山に到着。山頂は随分開けているが、悪天候のため展望はなし。ここで十数名の登山者が合流したが、ほとんどの人達は小女郎峠又は蓬莱山まで行くとの事なので、自分もそうすることに決める。権現山の山頂は風が強いので、休憩もそこそこに先を進む。

ホッケ山まではトレースがついていたが、そこから先は切れていた。自らトレースをつけながら進んでみたものの、途中で西側にそれる枝尾根に入ってしまう。間違いに気付いて引き返そうと思ったが、すでに十数名の後続者全員が自分の誤ったトレースを追ってきていたため、そこで全員立往生、各グループ毎に地図を広げて位置を確認するという光景が目の前で展開される。考えてみれば、ここへ初めて来る自分がわざわざ先陣を切る必要はなかったのだ。

何とか主稜線に戻ることができる。時折、雲が途切れて琵琶湖、反対方向には京都の北山を見る。ここから見ると、琵琶湖がずいぶんと小さく見える。それに対し、北山の山々はどこまでも果てなく連なっているようだ。

そんなわけで1時に小女郎峠着。やがて目指す蓬莱山の姿が現れるが、ここに来て風雪が強くなる。最後の蓬莱山への直登は比良颪が襲って雪煙が立ち込める。

140分、ついに蓬莱山の山頂に立つ!ラッセル中は、まさかここまで来れるとは思っていなかった。山頂はスキー場で賑わっている。登山客が余り来ない訳だ。風強く、気温は-5℃。目出帽、中間着、ゴーグルを装着し、リフト乗り場の一角で休憩する。山頂から離れてゲレンデの端を歩き出すと、風はピタリと止んだ。

隅っこを通っているとはいえ、ボーダー・スキーヤーで賑わう所を自転車を押して歩くのは違和感たっぷり、足早に過ぎ去る。ゲレンデの斜面を少し乗車してみたが、表面がカチカチに凍結しているのでスパイクタイヤを装着していない今回はきつかった。

14時20分、打見山頂のロープウェイ乗り場に到着。自転車持込みを断られたら登山道を2時間かけて下っていく予定だったが、交渉するまでもなくあっさりOKをもらい、しかも輪行せずにそのまま持ち込んでも良いとのこと。せいぜい2〜4人乗りくらいの乗り物を想像していたのだが、到着したのは100人以上は乗れそうな巨大なゴンドラ(驚)。僅か4分足らずで山麓駅に到着。山頂から蓬莱駅までは本当に一瞬だった。

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