■金糞岳 MTB          ■自転車旅行記へ

●2009年2月28日

相変わらずの暖冬が続き、今回も天候に恵まれる週末となった。とはいえ、侮ること勿れ。金糞岳は滋賀県では伊吹山に次ぐ標高を持ち、例年遅くまで雪を残す豪雪地帯の山である。しかもアプローチが長いため登山者が少なく、トレースも期待できない厳しい状況だろうと予測していた。

そんなわけで、余裕を見込んで自宅を午前5時に出発。長浜駅まで輪行し、高山キャンプ場から鳥越峠に向かう林道に入る。ここから山頂までの標高差1100mのうち、実に750mを林道で稼ぐことができる。やがて林道の視界は一気に開け、程よく白く染まった金糞岳の大きな山容を眺めながらの走行となる。

標高800mを越えたあたりから路面が一面雪で覆われ、アイスバーンも現れ始めた。今回は通常のブロックタイヤなので自転車を降りて押して進んでいく。もっとも、この程度のアイスバーンならわざわざスパイクタイヤを装着する必要はない。途中で車が峠越えを断念して引き返した跡があり、そこから先は人の足跡すらない雪の道を踏みしめて行く。

今回は鳥越峠までは行かず、その南側、標高960m地点から登山道の尾根に分け入る。予想通り、この日のトレース全くなし。雪はそれほど深くはないが半シャーベット状態、ほとんど消えかけている古いトレースを頼りに、木の枝を避けながらの迷路を行くような足取りで進む。やがて古いトレースもなくなって進むべき方向が分からなくなり、コンパスで方位を確認してみると、全く逆方向に進んでいたことが判明。もはや古いトレースは当てにせず、地形図を見ながら現在位置と進むべき方向を確かめ、何とか正しいルートに復帰し、小ピークの小朝の頭、大朝の頭に到達。それ以後は迷わずに済んだ。

ピークを過ぎて登山道は一旦下りに転じる。この鞍部から鳥越峠の北側が見下ろせたが、林道はところどころ上からの雪崩で行く手が塞がれてしまっており、とても車や人が通過できる状態ではない。

鞍部を過ぎてからは予想以上の急坂であり、雪に足を取られて何度も滑り落ちる。ズブズブの雪なので軽アイゼンも役に立たない。チャリを振り回している最中に、ペダルやフォークを脚のあちこちぶつけて青あざがたくさん出来た。山頂まで残り20分の看板が立っている地点から、結局1時間ほどかかった末に山頂に立つ。山頂に着く直前で、1人に追いつかれたが、出来ればもっと早くに抜いてくれれば楽できたのにと思う。

快晴の下、360度の展望が広がる。真っ白な白山がひときわ目立っていて、その前衛に能郷白山はじめ奥美濃の山々が連なっている。遠くは北アルプス、乗鞍岳、御嶽まではっきりと見える。時間的に余裕があれば八草峠方面へ抜けるつもりでいたが、山頂に着いたのは既に12時半なのでピストンすることにし、山頂で1時間余り休憩した。

下りはじめてすぐに反対側から登ってくる一組の夫婦に出会い、トレースもしっかりついているお陰か、登りとは比較にならないほど簡単に下っていくことができた。3時に林道に出て、雪が融けた所から標高差800mのダウンヒルで長浜駅へ戻る。ピストンとはいえ、充実した山行だった。

金糞岳を振り返る
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