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●2013年2月10日(雪)

妙理山は余呉湖の遥か10km北方、地形図に名のない滋賀県北端域の山である。豪雪域故に天候によっては登頂が困難になるため、天気予報で「雪」となれば行かないつもりであった。滋賀県北部(彦根)の天気予報を調べて「くもり」であったため出かけることにしたが、地理的にも気象的にもほぼ福井県であることをすっかり忘れていた。

前日に夜更かしをしたため睡眠時間三時間しか取れず、午前5時35分の始発電車に乗り、木ノ本駅で下車して中河内行きの余呉バスに乗り換える。乗客は自分一人のマイクロバスである。木ノ本辺りでは雪がまばらにちらついているだけだったのが、余呉湖を過ぎた辺りで天気が急変して大雪になり、バスから外を眺めながら唖然とする。

椿坂でマイクロバスを下車する(左写真:手前は自転車の入った輪行袋)。相変わらず大粒の雪が降りしきっている。

バス停から200mほどで妙理山の登り口と思われる場所に着く。民家横から脇道が延びていて積雪は50pほどだが、案の定、人の踏み跡どころか古い凹みすらない。その民家の軒下でスノーシューを装着していると、玄関から人が出てきて、どこへ行くのかと問う。「妙理山」と言っても全く通じなかったので、自転車で山を越えて菅並へ抜けるのだと言うと、「この天気では無理だ。遭難する。まして自転車だと死ぬ。」などと脅された。自分でも菅並どころか、この天気だと妙理山まで辿り着けずに途中撤退して戻ってくるのが関の山だろうと思った。



さて深い雪の上をスノーシューで歩き出したが、新雪が降り積もっていることもあり、メリメリと20pほど沈む。さらに雪に埋もれて正しい道が分からず、尾根に取り付くまで少し迷って右往左往する。そして尾根に取り付いたかと思えば、見上げるような急勾配(右写真:写真で感じるよりもずっと急である)が続く。



そして出発してまだ一時間も経っていない午前9時に、標高520m地点で一度リタイアする。(左写真は登ってきた道を振り返り、これから引き返そうという所)

標高500m付近より、スノーシューを装着しているというのにまるでぬかるみに沈んでいくかのように足をとられ、もがくような動作で心拍も上がって極端に進まなくなった。また、部分的に傾斜が急になっているところでは、一歩前に踏みだそうとして空滑りしているうちに顔面から雪に突っ込む、などということを繰り返して嫌気が差したためである。

しかし撤退前に休憩している間に一時的に降雪が弱くなり、体力も回復してきたため、試しにもう少し進んでみる。相変わらず10〜30pほど沈むものの、この先は泥沼のような沈み方はしなくなり、ペースをかなり下げた状態で続行することにした。



やがて妙理山の主尾根へ乗ると、再び天気が荒れだした。尾根は部分的に雪庇状になっていた。狭い尾根なので雪庇から離れて歩くこともできず、ほぼ雪庇の真上を歩くことになった。いわば雪の溜まり場なので足は深くまで沈み、表面がうねっていてデコボコしているため、非常に通過しづらい。



左写真は、今回通過するのに最も難儀した雪庇である(振り返ったところ)。

雪庇は、妙理山西尾根の標高800m地点から山頂にかけて見られた。



出発から三時間弱で山頂に着いた(右写真)。何メートル位積もっているのだろうか、山頂も分厚い雪庇の上である。山頂には反対側(菅並方面)からやってきている人がいるかもしれないと考えていたが、誰もいなかった。

気温は氷点下5℃を下回っていて降雪と共に横風が吹いており、首に巻いたタオルがカチカチに凍っていて使い物にならなくなっていた。

地図を見て、往路を戻るか菅並方面へ縦走を続けるか迷ったが、縦走路はさして困難な箇所もなさそうだったので縦走することを選んだ。縦走中にもう一つ三角点(東妙理山)があるというのも理由の一つである。

少し休憩した後、雪庇をなぎ倒して東側へ延びる尾根の方へ進路を取った。



山頂の東側はなだらかな尾根が続き、予想通り雪庇などの危険箇所は全く無かった。

ほどなくして東妙理山の三角点に着いた。妙理山にはなかった手書きのプレートが掲げられている。ここまで来ても古いトレースすらなく、少なくともここ数週間は誰も登っていないのだろう。

(左写真は、西側から見た東妙理山のピーク)



とにかく大粒の雪が絶え間なく降っているので、下山するまでに新雪に埋もれてしまわないようにと急いで下った。自転車を引きずりながら下ったので、右図の通りホイールも雪まみれになった。

景色の乏しい単調な尾根ではあるが、やがて降雪が弱くなり、左手に横山岳手前の857m三角点ピーク、右手に七七頭ヶ岳が木々の間から見えてきた。それ以上先は、雪に煙って何も見えない。



最後はとんでもない急坂の下りになり、滑るようにして菅並の六所神社に下ってきた。あれだけ激しく降っていた雪もいつの間にか止んでおり、遠くの空からは晴れ間も見られた。

(左写真:菅並の妙理橋より高時川と七七頭ヶ岳)

帰りは、石道の『青龍ラーメンさかき』に二年ぶりに立ち寄って野菜ラーメンを食し、木ノ本駅から輪行して帰った。



妙理山GPSログ

【椿坂(8:10)〜妙理山(10:55/11:05)〜東妙理山(11:45/11:50)〜p419(12:55)〜六所神社(13:15)】

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