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2010年1月30日(曇り)

JR彦根駅から近江鉄道に乗換える。近江鉄道はサイクルトレインなので、多賀行きの電車の中で輪行袋からMTBを取り出して組み立てる。乗客は2車両で6人位なのでもちろん邪魔にはならず、組み立てたMTBを押した状態で多賀神社前駅の改札を出て、そのまま走り出す。15分も走れば、県道139号(上石津多賀線)の始点へやって来る。

この廃村へとつながる県道は全面舗装されているが、路面が荒れている上にかなり急な峠道だ。猿や鹿が多く、ヘアピンを曲がると7〜8頭の鹿の群れがすぐ目の前にいて、あわてて一斉に逃げて行ったが、こういう時に限ってカメラがポケットにつっかかってしまいシャッターチャンスを逃した。

杉坂峠で休憩。さあ下ろうと自転車にまたがった瞬間、唖然。これまで全く積雪のなかった道が、峠を境に一面雪で覆われている。地図を見れば分かるが、この先の県道は終日日が射さないような入り組んだ山間の奥地に沈んでいる。しばらくは車の轍も続いていたが、すぐに諦めて引き返した跡があった。

8:33 県道で出くわした鹿の群れ

8:56 杉坂峠からの下り

一見、乗車して下れそうだったが、腐った雪なので無理。折角のMTBも何の役にも立たなかった。壷足で歩いていると、固くてもろい雪でよく沈む。やがて、集落が見えてきた。が、よく見ると全て廃屋だ。ここは、昭和48年に廃村となった杉集落跡である。もちろん物音一つしない。今後数十年のうちにここにある建物全てが、雪の重みに耐えかねて屋根が崩れ、柱が傾き、梁が落ち、廃村八丁のように跡形もなくなってしまうのだ。不思議な時空に立たされた思いがする。

9:06 廃村の杉集落

9:07 雪の重みで倒れゆく家屋

念のためにと思って持参してきたスノーシューをここで装着する。杉よりさらに下ると、高室山方面に分岐する道が右手に延びていた。積雪が少なければ鍋尻山に登ってから引き返してここから高室山に登るつもりだったが、もうこの時点で高室山はあきらめていて、鍋尻山を北に下ろうと考えていた。

9:27 高室山へ分岐する道

9:55 次第に雪深くなる峠道

うんざりするほど長い林道歩きが続く。スノーシューを装着しているとはいえ、雪のない状態と同じように進めるわけではなく、いわば足かせをした状態で歩いているようなものなので結構疲れる。1時間40分の林道歩きの末、ようやく集落が見えてきたが、この保月の廃村に入る手前に延びる林道が登山口である。

植林帯を過ぎれば道形がなくなり、低木の斜面に変わる。この急斜面を直登しなければならないのだが、スノーシューではかなり厳しい。このところまとまった降雪がなく、昨日まで降っていた雨がさらに雪質を悪くしているのだろう。雪の下は滑りやすい土で、何度も滑っては転ぶ。

10:32 やっと辿り着いた登山口の廃村保月

11:10 ここからが地獄…

この山腹からの展望は抜群で、御池岳を中心に鈴鹿北部の山並みが広がっている。一方、山頂まではもうあと僅かなのだが、次第に傾斜が増し、足元が滑ってどうにもならなくなる。スノーシューが邪魔になってきたので外す。案の定、足が深く沈むが軽くなった。しばらくはキックステップにより、連続して歩を運ぶことができる。が、最後の平坦地への取り付きで、雪の下に潜んだ岩と岩の間の深い穴に足をとられるようになった。カレンフェルドの石灰岩が林立している場所であろうか。結局、コースタイム35分のところを70分かけて頂上に到達。

山頂には標識らしきものは何もなく、三角点も雪の中で見出せなかった。北方向に聳える霊仙山を眺めながら昼食休憩。山頂から北側はこれまで以上に深い雪の斜面が広がっていて、どの方向にも足跡も窪みもない。3月頃からはフクジュソウ目当てによく登られるものの、林道も不通となるこの時期に登る人は極めて稀なようだ。おそらく今年になってからは、まだ誰も登っていないのだろう。

11:24 山腹斜面から御池岳を見る

12:19 頂上付近より霊仙山の眺め

頂上から岳ノ峠までは、ところどころ腰まで沈むものの、重力に任せて一気に下っていけた。進路はここで西に折れるが、そこから宮前まで延びる尾根の根元(岳の地蔵)に至るまでが、完全に道が消失している。道なし+急斜面+倒木+滑りやすい土+腐った雪、という組みあわせだ。

12:26 岳ノ峠付近

12:28 鍋尻山を振り返る

標高500メートル付近の「岳の地蔵」までくれば、そこから先ははっきりした尾根で道もしっかり付いている。雪もほぼ全て溶けていて、何ら支障はない。河内の集落を眼下に高度を下げて行き、橋を渡ったところにある民家の裏手に下山してきた。

13:26 下山口

カシミール3D及びGPSトラックデータにより作成

【多賀大社前駅(7:25)〜杉坂峠(8:50)〜高室山との分岐(9:27)〜保月(10:30)〜鍋尻山(11:37/12:05)〜岳ノ峠(12:27)〜河内・山女原(13:25)】

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