■七七頭ヶ岳 MTB          ■自転車旅行記へ

●2010年1月23日(雪)

先週からこの次はワカンを導入することを考えていたが、物欲も手伝って結局、スノーシューを購入した。買ったのは、MSRライトニングアッセント(22インチ)というやつで、4万円弱とこれまでの装備(自転車とGPS除く)で最も高い出費となったが、早速、積雪が多くてトレースがなさそうな山で試すこととした。

余呉駅を降りると、冷たい雪が降っていた。登山口の上丹生までは、交通量のある国道、県道を問題なく進む。登山口に入るところで雪のかたまりが壁になって積もっている。「七七頭岳」と彫られた標石がなければ気付かなかっただろう。壁を乗り越えた先の道は雪が深く積もっていて、1週間位前のトレースはあるがほとんど消えかけている。足を踏み出しても下まで沈んでしまい、とても壷足では進めそうもない。さっそくスノーシューを装着したが、まるで雪の上に浮いているようで、これなら楽に進めると思った。

上丹生登山口

ところが、道は徐々に急登になり、スノーシューを履いたままでもかなり沈むようになってきた。ヒールリフターを上げて幾分楽になったが、さらに勾配が急になる。急な斜面では踏み出した足が後ろに滑ってしまい、足の角度や加重のしかたをいろいろ変えたりしてみるが、あまり効果はなかったようだ。慣れないせいか、とにかく体力を消耗した。

標高370mあたりで尾根に乗り、ようやく勾配が緩くなる。この尾根に乗るまでが、今回の一番辛いところだった。尾根は晴れていれば見晴らしが良さそうだが、激しい降雪で何も見えない。雪質も安定してきたようで、あまり沈まなくなった。山頂に近づくにつれ積雪が多くなり、雪の下に埋もれている道がわかりにくくなり、仕方なく適当に進んでいく。最後は、道なのかどうかも分からないような急斜面をよじ登った。

頂上直下の急斜面

山頂は少し開けていて、西林寺観音堂がある。積雪はかなり深い。場所によっては1メートル位ありそうだ。観音堂の中に入って休憩する。付着した雪を払い落とすも、徐々に体中の汗が冷えてきて寒気を感じる。30分ほどして外に出たが、依然として雪が強く降っていた。

観音堂から少し西へ行くと、雪に埋もれて三角点があるらしき所へ出た。そこに、肌を美しくするという伝説がある瑠璃池の方を示すプレートがあったが、池は相当小さいものらしく、この深い雪では場所の見当すらつかなかった。

七七頭ヶ岳山頂

スノーシューを装着したまま下山にかかる。雪はさらに深くなり、登山道はどこにあるのかさっぱり分からなくなった。雪はよく締まっていて、スノーシューがあればどこへでも場所を選ばず下っていけそうな気はしたが、尾根だけは外さないようにした。別の尾根を下ってしまうと、最後下りて来られる保証がない。

  菅並へ下りる尾根

末端の尾根をそのまま進むと、正規の下山口である菅並の集落より南に逸れてしまうため、むりやり軌道修正しようと試みるも失敗。急斜面の谷地形に取り囲まれてしまい、足の踏み場がなくなってしまった。仕方なく、転がり滑り落ちるようにして降りた。雪があるのでいくら足を滑らせても怪我はしなかったが、あまりやりたくはないものだ。やがて、集落の墓地が見えてきてほっとする。

今回初めてスノーシューを使用してみて、これがあれば確実に行動範囲は広げられるが、それなりに重労働だと感じた。いずれにしても、もっと慣れなければいけない。

下山口の菅並集落

下山してもまだ時間が充分に余っていたので、菅並からさらに奥に延びる車道を北上してみた。菅並から分岐を通り過ぎて、高時川支流の妙理川沿いにまっすぐ行けば、洞寿院という寺院に行きあたり、ここまで除雪されている。そこから先の林道は深い雪で、かなり古そうなトレースが細々と続いていたが、妙理山へ向かったパーティーのものだろうか。左手上方にはダム工事用の新道も建設されているが、通行止でロープが張られている。

再び分岐まで戻り、高時川本流に沿って県道285号を北上してみる。旧道は除雪されていないため、北海道トンネルという新道を通り抜けると旧道と合流し、除雪された道が続く。この奥は廃村しかないのに除雪されているのは、ダム工事に伴う調査のためであろうか。その丹生ダムも現在事業凍結中であるが、ちょうどダム建設予定地の看板が出ている所で除雪は終わり、その先は1m以上の積雪に埋もれていたので引き返す。

除雪された道(轍は自分のMTBのもの)

引き返し始めてすぐ、降ってくる雪の勢いが増してきた。こんな中での自転車の下りは最悪最低である。体中に雪がへばりつき、グローブの中も靴の中もいつの間にか水浸しになっていて、もう少しで凍傷になるかと思った。バス停の小屋の中に待避するも雪は一向に弱まらず、ガチガチ震えが止まらないのでヤケクソになって走り続ける。1時間後、ようやく余呉駅に辿りつく。寄り道しないですぐに帰るべきだったと後悔した。

「カシミール3D」及びGPSトラックデータにより作成

【上丹生登山口(8:05)〜稜線(9:10)〜七七頭ヶ岳(10:45/11:20)〜菅並(12:25)】

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