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2011年10月29日(晴)

鈴鹿山脈の釈迦ヶ岳は鈴鹿セブンマウンテンの一つで、伊勢の平野から見上げると御在所岳や鎌ヶ岳と競り合うように聳え立っている(らしい。実際はそのアングルから見たことがない)。これに反して滋賀側はだらだらとした森林帯がいつまでも続いていて、登山道すらない有様だ。八風キャンプ場(同名のキャンプ場が三重県側にもある)から八風峠に至るルートが最も最短ではあるが、この峠道も滋賀県側は荒廃が進んでおり、相当の藪コギをしいられるようだ。もう一つは、旧国道の石榑峠から県境稜線を南に辿るというやや遠回りなルートである。

薮コギで時間短縮するか遠回りでも安全な道を選ぶか最後まで悩んだが、やはり安全第一ということで後者を選んだ
(この選択はあまり賢明ではなかった→後述)

石榑峠からゲートを突破して南に続く舗装路を行く。勾配が急なので、無理せずに押して歩いた。すぐに、左写真のような広場がある終点に辿り着く。ここから竜ヶ岳の眺めがとても良く、伊勢平野もよく見渡せる。広場の南側には案内標識がぽつりとあり、ここから登山道に入る。

石榑峠〜三池岳間は、笹薮の中に細い踏み跡がつけられているような道で自転車を担ぎあげることが多かったが、傾斜の緩い道なので特に疲れることもなく、まずは前衛の三池岳に到着。三池岳は三角点が南北縦走路から少し離れた場所にあるので行ってみたが、今一つ。県境上のピークの方が開けていて眺望もある。

休憩なしで先に進む。三池岳から先は、三重県側からの登山道と合流するのでかなり歩きやすくなる。八風峠と中峠を通りすぎたが、どちらも眺望の優れた峠(写真は八風峠)。

中峠の少し先のp983は「仙香山」と名付けられているようで、縦走路から少し逸れて踏み跡がつけられている。一応行ってみたが、登山者のつけたプレートがぶら下がっているだけの何もない所だった。

そのまま縦走を続けて釈迦ヶ岳へ。人が大勢いるのかと思っていたら、誰もいなかった。展望も期待していたものではなく伊勢の平野が眺められるだけで、それも青白く霞んでいて良く見えなかった。2、3分ほどしたら反対方向から人がやってきたので、山頂をゆずることにした。

続くp1058には「猫岳」という名前を記した標識があり、「平井修二君交通事故にて死す」の碑が立てられていて、その金属板には団塊世代の仕業と思われる日付・氏名入りの落書きが無数に刻まれていた。

その猫岳から振り返ると、山頂から伊勢平野に向けて鋭利な支稜を落としている釈迦ヶ岳の姿が見える(右写真)。鈴鹿山脈の山々は県境の東西で全く別の風貌を持っているというのがよく分かる顕著な例である。

釈迦ヶ岳から先は下り基調で乗車できる区間もそこそこあった。下山する白滝谷への分岐までやってきたが、その前にハト峰へのピークハントを予定していたので行ってみることにする。ところが、『山と●原地図』で示された「ハト峰」の方面へは踏み跡が全くない。怪しいと思いつつも薮を掻き分けて行ってみると、左写真のような明らかな「外れピーク」であり、念のためもう一つ先のピークにも行ってみたが同じ結果だった。

訳が分からず、白滝谷の分岐まで戻り、今度は県境上の縦走路をさらに南下して見ると、やがて急に視界が開けて風化したザレ場に出てくる。結局、そこにある岩のピークが「ハト峰」の正体であった。地図上ではハト峰峠のすぐ手前に位置していて、等高線で示されるほどの盛り上がりはない。
『山と●原地図』の位置は全くのデタラメだった。

某シジミ氏の記録にも同様の報告が有り。ただし、左写真が本物のハト峰で、下写真を偽ピークとしている。)

本物のハト峰からの展望 → 

ハト峰からの展望は素晴らしかったが、偽ピークのおかげで時間的に大幅なロスをした。5分ほど休憩すると別の団体がやってきたので、山頂をゆずる。白滝谷の分岐まで戻ると、もう夕方近い時刻になっていた。

この白滝谷の渓谷沿いの道はだらだらと長く、下流に行くほど障害が多くなる。ようやく神崎川との出合に達したが、これを渡ろうとするにも流れが深くて急で、徒渉ポイントを探すのに苦労した。比良の「八淵の滝」同様、自転車を支点にして岩から岩へ飛び移り(自転車が半分くらい川に埋まるので支えるのが難しかった)、運よく足を滑らすことなく渡り切った。

← 写真では簡単に渡れそうに見えるが、意外と難しい。

そしてようやく川から離れ、日没が迫っていたので最後の尾根への登り返しを急いでいたところ、突然GPSのバッテリーが切れた。三池岳で新しい電池に交換したばかりなので、全く原因不明だが、何度操作しても電源が入らないし予備の電池ももうない。17時05分、ほぼ日の入り時刻と同時である。

そこからは夕闇の中で踏み跡を見失い、近くにあるであろう林道を目がけての薮コギとなる。刻々と暗くなっていくので進むべき方向を悩んでいる時間もなく、とにかく光のある方へと突っ切って行った。もう既に暗くなっている中、トゲだらけの草木をつかんで急斜面を這い登り、やっと林道に出た。

その様子を写真に収めようとして愕然とする。
カメラがない。薮コギしている間にどこかに落としたようだ。自転車と荷物を林道に置いたまま、自転車のライトだけで再びカメラを探しに戻る。来た方向も分からず薮のどこに埋もれているかも分からないが、ライトを口に咥えて両手でヤブを掻き分け必死になって探した。翌日明るくなってから探そうかとも考えたが、予報では次の日は確実に雨なので何としても今日中に探さなければならない。30分の死闘の末、やっと見つけることができた。

その後、外灯などは一切ない月も出ていない真っ黒の林道を、カンと視力の良さ(裸眼1.5)を頼りに下ることになる。LED1球の自転車のライトではほとんど前方が見えず、何度か道を外しそうになった。ようやく国道421号に出て、車のライトを見たときはホッとした。日が短くなっている時期の日帰り登山はくれぐれも注意が必要であることが身に沁みた。

この日は政所にある旅館「肥夏屋」に宿泊し、翌日、小雨の舞う中を近江八幡駅まで自走して帰った。

【杠葉尾(9:00)〜石榑峠登山口(10:00/10:10)〜三池岳三角点(12:00)〜仙香山(12:45)〜釈迦ヶ岳(13:50)〜猫岳(14:20/14:25)〜白滝谷分岐(14:55)〜偽ハト峰(15:05)〜ハト峰(15:30/15:35)〜白滝谷分岐(15:40)〜神埼川徒渉(16:35/16:45)〜林道(17:30)〜カメラ探し〜林道(18:00)】

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