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●2009年8月14日〜16日

立山に行くためのアプローチに随分迷った。単にピークを踏むのが目標であれば、室堂までバス輪行して山頂まで往復するのが一番楽だけれども、それだとつまらないし、電車やバスに乗っている時間の方が長いというのも馬鹿馬鹿しい。冬山の練習にちょうどいいんではないかと思って、おととし11月下旬の3連休に行く計画を立てたが、小屋の予約が取れずに断念した(結局、その時は北八ヶ岳へ行先変更した)。それにこの時期はスキー場と化していて、チャリで行くのは相当勇気がいる。そもそもバス輪行が可能なのか?人が多い時期だと断られても仕方ない。かと言って、バス輪行せずに美女平から室堂に行くルートも危険だ。バスの走る路線に並行している登山道であるため、木道で自転車を押している姿が常に丸見えだし、途中で引き返せと言われる可能性もある。

というわけで、ピークハントとしては多少遠回りになるが、無難な奥大日岳経由で行くことにした。そのまま稜線を伝って立山〜黒部ダムに下りて来たが、結果的に人が少なくて正解だった。

 初日はまず、称名滝という所まで舗装路を走る。落差日本一の有名な滝らしく観光化しており、あいにくの雨で滝など全く見えないことは行かなくても分かるのに、それでも訪れる人が多かった。駐車場から先は「車両進入禁止」の標識があったので、念のため自転車から降りて押して歩く。やがて大日岳の登山口に辿り着き、登山道を歩き始めると完全に一人になった。時々、向こう側から数人とすれ違うのみで、期待した通りのマイナールートだった。

急坂を登っていくと、急に大日平という平らな場所に出る。ほぼ水平の木道が数キロにわたって続き、そのままのんびり自転車を押しながら一時間以上歩いて、大日平山荘に着いた。自転車を隠すよりも前に山荘の人に見つかってしまったが、苦言を言われるどころか却って興味を持たれてブログに乗せるとまで言われ、一安心した。(国立公園はどこも車馬の持込が禁止されていると信じている人が意外と多いので、無用のトラブルを避けるため宿泊する小屋では自転車を目立たない場所に隠すことがある。)

大日平山荘は水も無料だし、風呂まで入れさせてもらえる。しかもこの日の宿泊客が10人と少なかったため、8畳の部屋を個室として割り当てられた。翌日、好天の中、水をたっぷり積んで出発。小屋を離れてからもしばらくは木道が続く。大日岳の尾根に乗り上げると、そこから先の道は見晴らしが良く、想像していた以上に快適な稜線歩きとなった。

          

ここまで人が少なかったけど、さすがに二百名山である奥大日岳から先は、雷鳥平の方から往復してくる人も多く、それなりの人とすれ違った。やがて右手には悠々と広がる弥陀ヶ原、左手には去年の同じ時期に登った剱岳の全貌、正面には屏風を立てたような立山の姿が現れる。

各方面の登山道が交わる別山乗越は、予想通り人が多かった。剱御前小屋に荷物を預け、空荷で(=自転車のみという意)剱御前の三角点までを往復することにしたが、剱岳を撮影するためにカメラ機材を運んでやってきた人とすれ違ったくらいで、他に誰も来なかった。この三角点の先には黒百合のコルに続く縦走路があるが、崩落して危険なため「通行止DEAD END」と書かれた標識が立っている。その先、黒百合のコルにかけての主稜線はスパッと切れ落ちている。厚い雲を纏いながら刻々と姿を変える剱岳が不気味だ。

二日目の小屋も偶然宿泊者が少なく、12畳の部屋にたったの5人だった。ところがその中にいたメタボオヤジの猛烈なイビキで他の4人全員が一斉に目を覚ます非常事態になった。そのイビキは朝まで続き、自分も3時間しか眠れなかった。イビキのオヤジだけは、何事も知らずに8時間ぐっすり眠れたようだ。山小屋に泊まるなら、もう少し痩せてからにして欲しいものだ。

翌日も爽やかな稜線歩きとなる。真砂岳の南側で自転車を乗車して進める区間が二百メートルほど存在する。ちょうど20年前に大量遭難が起きた場所の辺りか。朝早く出発したのもあり、最高峰の大汝山でもそれほど人は多くなかった。雄山まで来ると、さすがに人が多くなった。偶然にも、大学のクラブの先輩(KUCC90年入学 K橋さん)にも会った。雄山から一ノ越への岩場の下りは、反対から次々に人が登ってくるので、少し離れたルートを落石を起こさないように駆け降りる。あっという間に一ノ越に着いた。一ノ越山荘前の広場が観光客や登山客で賑わっている。

一ノ越から黒部へ向かうルートを行く人はほとんどいないものの、もっと細々とした道だと思っていたが予想以上にしっかりとした踏み跡が続いている。最初の数百メートルは、MTBで駈け下りていった。その後も、担ぐことは少なくほとんど押していける道で、順調に標高を下げていき、やがて黒四ダムに到着。ついに自走で秘境の黒部へはるばるやってきたつもりだったが、あまりの人の多さにそんな感慨も吹っ飛んでしまった。事務的に記念写真を撮った後、早々に引き揚げることとする。

さらにここから針ノ木越えや下ノ廊下というルートも一瞬考えたけれど、どちらもそれなりに危険だし休みも足りないので、予定通り黒四ダムから扇沢に抜ける。トロリーバス輪行は何事もなくOK。車内は超満員で、輪行した自転車を両手で押さえつけたまま立ちっ放しになったが、普通のバスと違って大きく揺れたりしないので安定性には問題なかった。結局、アルペンルートでかかった費用はたったの1700円(運賃1500円+手回り200円)で、これも自転車ならではの恩恵と言えよう、と強調。扇沢から大町まで高速ダウンヒル、その後、松本まで走り続けて終了とした。

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