■虎子山・五台山 MTB          ■自転車旅行記へ

2010年3月27日(曇り)

残雪期も中盤に入ってきたので、そろそろ湖北の県境ゾーンに足を踏み入れる。

近江長岡駅から出発し、伊吹山を右に交わし、甲津原へと向かう県道を北上する。途中で右折して県道を離れ、国見林道へと向かうが、ここから行き交う車もなく、路面が凍結していてよく滑る。今回はスパイクタイヤではないので、その都度、MTBから降りて歩く。

標高380m、未舗装の足俣谷林道との分岐となっている場所が国見林道の始点であり、それぞれの林道にはゲートが設置されている。意外なことに、どちらのゲートも開かれたままになっている。このまま、岐阜側まで除雪されていて通り抜けができる状態なのか?

やはりそんな事はなく、標高560m付近から土砂崩れが現れ始め、進むにつれて酷い状況になってきた。豪雪地域のこうした林道は、雪の重みで林道近くの木が倒れ土砂崩れや雪崩を引き起こし、復旧工事がされる春まではまず通行できない。

8:24 国見林道入口

9:00 標高560m付近から土砂崩れ

さらに標高700mまで来ると残雪が邪魔をするので、ほとんど自転車を押して歩くようになる。ギアを重くして無理やりペダルを漕げば乗車して進めないこともないが、押した方がはるかに楽である。ガードレールが雪の重みでへし曲げられている。林道の復旧には相当の時間を要するだろう。

標高840mの国見峠に着く。岐阜側には、滋賀よりも立派な道路が延びているが、より深い雪に覆われている。しばらくすると、その道路を歩いて10名ほどの団体がやってきた。今季はすでに閉鎖した国見岳スキー場の駐車場から、ここまで約1時間かかったという。これから虎子山までの往復をするらしく、やはり今年の干支の山、しかも残雪期が最適期という薮山であり、マニアックな人達がやってくる。木製のワカンを背負った年配の人から、自分の背負っているスノーシューを珍しがられた。

9:36 国見林道・標高760m付近

9:55 国見峠より伊吹山北尾根

団体より一足先に登山道に踏み入れる。昨日までの寒波により新雪があった模様で、古いトレースもかき消されている。最初は背の低い笹薮から始まり、やがて本格的な薮になっていく。ただ、人がそれなりに踏み入れているだけあって、道を見失うようなことはない。

9:55 虎子山登山口

10:26 薮尾根(標高980m付近)

標高1060m。傾斜が緩くなり、積雪が多くなる。スノーシューを装着。ここまで来ると、ヤブの密度もまばらで歩きやすい。右手の方に、はっきりしない虎子山のピークが見えている。

10:39 右側のピークが虎子山

11:05 滋賀側のみ樹林

やがて尾根の岐阜側が開けてくるが、あいにくの厚い雲で雪もちらついていて視界が悪い。ちょっとした晴れ間に、稜線つながりのブンゲンが霞んで見える程度だ。

11時15分、虎子山山頂。あまりピークらしくなく、僅かに木に囲まれていて、手書きのプレートがぶら下がっている。このプレートがなければ行き過ぎてしまう人もいるような気がする。ここで、少し休憩。遠くから声は聞こえてくるが、まだ後続の団体がやってくる気配はない。比較的ここまでは楽だったが、この先の稜線は人があまり踏み入れず厳しそうな気がするので、先を急ぐことにした。

11:12 虎子山頂上直前

11:44 ブンゲンまでの県境尾根を見渡す

山頂を過ぎて最初に尾根が急下降する地点で立往生。手がかりのない氷化した雪面を60m下まで滑落して行くわけにもいかず、他のルートも薮だらけで見つからない。一度は諦めて撤退しかけたが、隙間のない薮の中を小動物が踏み込んで行った跡があるので、意を決してここから突入。特に自転車の場合、一度、濃密度の薮を下ってしまえば登り直しがほぼ不可能となるためリスクの高い行動だったが、今回は無事、薮を脱出して安全な所まで降りて来れた。

しばらくは開放感のある県境尾根らしい快適な尾根だが、p1013の鞍部への下りが始まると再び薮っぽくなる。

11:47 雪庇の上を行く

12:15 p1013付近は手強い薮

分かりにくいジャンクションピークを左に旋回しながら進み、県境から離れる。薮の密度は少しまばらになってきたが、今度ははっきりしない地形になり、進路を探しだすのが大変な作業になる。GPSの地図は等高線が20m間隔なので、あまり当てにならない。

五台山の手前のピークまで来ると、五台山の姿がはっきり見えてくる。急斜面を直登して、一気に山頂へ。

12:53 五台山(北側ピークより)

13:06 五台山への最後の登り

1時過ぎ、五台山山頂。人の来ない山のわりには珍しく、山名のプレートが掲げられている。山頂から北側に見えている山は、ちょうど虎子山とブンゲンの中間に位置する県境上の小ピークで、その右後方にわずかに頭を見せているのがブンゲンだ。

そこから少し西に進むと、今度は南側が開けていて、伊吹山北尾根方面が見える広場がある。この辺りから、南側へ延びる尾根を降りていくのだが、どこを探しても薮ばかりで取り付きが分かりにくいため、適当に薮に突っ込んで、ようやく南尾根を発見。

尾根に入ってしまえば、歩きやすい道になる。標高930mでスノーシューを外す。徐々に斜面が急になってきて滑りやすくなり、小動物の足跡は何事もないかのように下へと続いているが、爪のない二足歩行ではとても困難だ。

13:15 五台山よりブンゲン(右後方の峰)

14:10 林道に向けて急降下

林道に出る直前は、さらなる急坂で足元のグリップは全くなく、薮や木の枝を掴みながらのクライムダウン。スリリングであったが、何とか足俣谷林道へ降り立つ(標高730m付近)。林道は、さらに上の方にも延びていた。

やはり、国見峠〜虎子山に比べ、虎子山〜五台山の周回ルートは断然厳しかった。

14:24 足俣谷林道下山口

14:40 土砂崩れ&残雪の林道を下る

足俣谷林道にもまだ残雪があったが、下りなので半分以上は乗車して行けた。やがてゲートが現れ、国見林道との分岐のところまで戻ってきた。そこから先は、来た道と反対方向の下り一方の舗装路で、あっという間に近江長岡駅へ戻る。

次回は、もう少し北の県境尾根を攻めてみようと思う。

カシミール3D及びGPSトラックデータにより作成

【国見林道始点(8:32)〜国見峠(9:55/10:07)〜p978(10:23)〜虎子山(11:17/11:25)〜p1013(12:07)〜JCTピーク(12:25)〜五台山(13:13/13:23)〜足俣川林道へ下山(14:24)〜国見林道との分岐(15:00)】

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